チェーンステッチ刺繍が受け継いできた文化
チェーンステッチ刺繍は、その名の通り、鎖(チェーン)のように連なる縫い目が特徴の刺繍技法です。

その起源は古く、世界各地で受け継がれてきた技法ですが、私たちが思い浮かべるチェーンステッチ刺繍は、20世紀のアメリカで独自の文化として花開きました。
1930年代から1950年代にかけて、ワークシャツやサービスステーションのユニフォーム、ボーリングシャツ、クラブジャケットなどには、店名や個人名、チーム名がチェーンステッチで刺繍されるようになります。
それは単なる装飾ではありませんでした。
仕事に誇りを持つ職人。
仲間と汗を流すボウラー。
カーショップやガレージで働くメカニック。
一着のシャツには、その人の生き方や所属、仲間とのつながりが刻まれていました。
当時のチェーンステッチは、華やかな装飾というよりも、着る人を示すための実用的なステッチとして広く使われていたのでしょう。
当時の刺繍は、手ハンドル式のチェーンステッチミシンによって、一文字ずつ丁寧に縫われていました。

ハンドルを回し、針の動きに合わせて生地を自在に動かす。
真っ直ぐな線も、美しいカーブも、すべては職人の感覚と経験によって描かれます。
だからこそ、一着として同じ表情のものはありません。
その後、コンピューター刺繍機の普及によって、チェーンステッチ刺繍を目にする機会は少なくなりました。
しかし、その独特の立体感や手仕事ならではの表情は、ヴィンテージウェアやアメリカンカルチャーを愛する人々に受け継がれ、現在でも高く評価されています。
TOKYO BACK ALLEY®︎でも、このチェーンステッチ刺繍に魅力を感じ、手ハンドル式チェーンステッチミシンを導入しました。
バッグやキャスケットなどのアイテムへ、この技法を取り入れるための新たな挑戦が始まります。
古い技術をただ再現するのではなく、その時代に息づいていた空気や文化を理解し、自分たちなりの現代のものづくりへとつなげていきたいと考えています。
一本の糸から生まれる表情。
一文字に込められた手仕事の跡。
チェーンステッチ刺繍は、単なる装飾ではなく、文化であり、技術であり、作り手の想いを形にする手仕事です。
もし、この時代にTOKYO BACK ALLEY®︎が存在したなら、きっとこのようなアイデアを取り入れたでしょう。
TOKYO BACK ALLEY®︎
一風隊長



コメント