針音は、時代を超えた。
「このミシン、ずいぶん働いてきたんだな。」
古びた YAKUMO DBU-180L-2 に問いかける。

もちろん返事はない。
返ってくるのは、針の音だけ。
カタ……カタ……カタ……
このミシンは、おそらく1970年代に生まれた。 高度経済成長の日本。
レザージャケットを縫い、 デニムを縫い、
バッグを縫い。 誰かの暮らしを支えるものを、 毎日、何千針も縫い続けてきた。
ブランドの名前は、やがて姿を変えた。 YAKUMOの技術は受け継がれ、 今ではJUKIへと繋がっている。 名前は変わっても、 針が布を貫く音だけは、昔と何も変わらない。
カタ……カタ……カタ……
「不思議だよな。」 「50年以上も働いてきたのに、まだ現役だもんな。」
傷だらけのボディ。 塗装は剥げ、 鉄は使い込まれるほど艶を増している。 その姿は、 穿き込まれたヴィンテージデニムによく似ている。 新品では決して手に入らないものが、 長い年月の中で刻まれていく。
私はウォバッシュを送りながら、ふと思う。
「もしかしたら、お前も昔、誰かの夢を縫っていたのか?」
それとも工場の片隅だったのか。
小さな仕立て屋だったのか。
それは、もう誰にも分からない。
でも、ひとつだけ分かることがある。 今、このミシンは TOKYO BACK ALLEY®︎の物語を縫っている。 そして一風隊長は、 バッグを作っているんじゃない。 時代を繋いでいる。
カタ……カタ……カタ……
針音は、今日も変わらない。
まるで、 「次も、いいものを縫えよ」 そう言っている気がしてきた。
もし1970年代に、 私がこのミシンのペダルを踏んでいたなら── きっと今と変わらず、 夢中でバッグを縫っていたと思う。 そしてこのミシンも、 時代に合わせてサーボモーターへ載せ替えられ、
50年前も、今も変わらず、 誰かの想いを形にしている。 古いものを残すことが目的じゃないんです 古いものに、新しい命を吹き込むこと。
それが、 TOKYO BACK ALLEY®︎のフィクションロマンスなのです




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